社内“聖域”で燻る「日本ハム」大社復権の火種

執筆者:柴田雄大 2004年6月号
タグ: 日本
エリア: アジア

 世の中には深く立ち入るべきではない「聖域」というものがある。中には下手に触るとやけどをするような聖域もある。「食肉」という分野がまさにそうだ。エセ同和問題ともからみ、長い間、その実態はベールにつつまれていた。 それだけに、大阪府食肉事業協同組合連合会の副会長でハンナングループ総帥の浅田満容疑者(六五)の逮捕は、衝撃だった。狂牛病騒ぎの際、輸入牛肉を国産と偽って買い上げさせた詐欺容疑だが、関西の関係者たちは「大阪府警捜査二課の戦後最大の英断。よくぞ逮捕できた」と指摘する。ハンナングループはこれまでずっと聖域だった。一九七〇年の大阪万国博覧会でも会場で供された肉はすべてハンナングループが取り仕切った。会社施設がある大阪府羽曳野市の土地は市の所有地だが、長年賃料も払わず、歴代の市長も市民オンブズマンも何も言わなかった。

カテゴリ: 社会 経済・ビジネス
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