アラファト追い落とし「世代交替」の裏のウラ

執筆者:Foresight 2004年9月号
エリア: 中東

 パレスチナで自治政府のムハンマド・ダハラン元治安相(四三)が、治安上の焦点になりつつある。 PLO(パレスチナ解放機構)の主流派ファタハの中で「新世代」に属するダハラン氏は、ここ数カ月、改革の実施や不正の取締りを声高に訴え、「旧世代」を擁護するアラファト議長批判を繰り返してきた。だが、パレスチナ人の多くはダハラン氏に疑惑の目を向けている。七月中旬にガザ地区で発生した騒乱事件は、ダハラン氏が裏で糸を引いていたとの見方が浮上しているのだ。 アラファト議長追い落としの背後にチラつくのはイスラエルとアメリカの影。自治政府のジブリ・ラジューブ国家安全保障顧問はサウジアラビアのオカズ紙に対して「ダハラン氏はイスラエルの協力者である」と語り、名指しで批判している。

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