欧州随一の「原発大国」フランスが、フクシマ・ショックで大揺れだ。電力の8割が原子力という国で、「脱原発」を望む国民が77%に達した。一方、サルコジ大統領は脱原発はおろか「最新鋭の原発を開発し、世界に売り込む」構えだ。左派の野党側は世論に敏感に反応しており、来年春の大統領選では、この国ではこれまで考えられなかったことだが、原発政策が争点に浮上している。 6月初めのジュルナル・ディマンシュ紙の世論調査は、福島原発事故の影響がくっきり出た。フランス人は現実的だから、「すぐにもやめろ」と主張するのは6分の1以下で、「25-30年かけて」が圧倒的多数派だ。だが、事故前は国民の過半数が常に原発を支持してきたことを考えれば、変化は明白だ。6月半ばにはパリのど真ん中、市庁舎広場で数千人が反原発デモを行なった。極めて異例のことだ。
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