米国オバマ政権と韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権の通商当局が、あるシナリオをめぐり水面下で対話を続けている。両者が念頭に置くのは、11月半ばにハワイ・ホノルルで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)。両国の調整が順調に進み、条件が整えば、11月までに世界を驚かせる合意が発表されるかもしれない……。 そのシナリオとは、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への韓国の電撃的な参加である。これが現実化すれば、TPP交渉参加の意思決定が遅れる日本の野田政権を尻目に、韓国が先に交渉に参加することになる。 日本は既に米国との自由貿易協定(FTA)交渉で、韓国に大きく後れをとっている。それだけでなく、広くアジア太平洋地域をカバーするTPPでも、韓国の後塵を拝する立場に陥りかねない。世界での日本の存在感の低下は免れない。
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