インラック首相が「バンコク中心部の水没阻止に十分な自信が持てない」と弱気な発言をするほどに、タイの水害は深刻の度を増している。全国土の約3分の1が水没し、バンコクから北へ80キロほどのアユタヤ県を中心にバンコク北郊に広がる大規模工業団地は冠水。同地に展開している車、家電、ハイテク機器など日本の代表的メーカーの工場が被った被害は甚大だ。3.11から立ち直りかけた日本の製造業にとっては大打撃に違いない。 50年に1回ともいわれるほどの豪雨がもたらした「想定外」の雨量が今回の洪水の原因であることはもちろんだが、3.11と同じように人災的側面も考えない限り、今後も同じような事態が起こらないという保証はどこにもない。やはり、備えあれば患いなし、である。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン