タイの最近の中国との接近ぶりは異様としか思えない。3月半ばに最大野党である民主党代表団が訪中し、共産党との提携に道を開き、4月初旬には国王に次ぐ国民的敬愛を受けているシリントーン王女が北京を訪れ、習近平副主席と会談している。これに加え4月17日から19日までは温家宝首相の要請に応じインラック首相一行が公式訪問し、25日から28日までは国防次官を代表とするタイ国軍制服組幹部代表団が人民解放軍との話し合いのために訪中――ここ1カ月ほどの間に野党、王室、政府(+経済界)、国軍と続く。両国外交史からみても、絶後とはいわないまでも、空前の訪中ラッシュであることは間違いなさそうだ。
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