“熱帯への進軍”最前線を歩く(5) 街頭ビラに見る山峡の街の現実

執筆者:樋泉克夫 2013年6月26日
エリア: アジア
 ひたすら「標準」を求める(2012年4月、筆者撮影。以下、写真は同じ)
ひたすら「標準」を求める(2012年4月、筆者撮影。以下、写真は同じ)

 延々と続く天然ガスと原油の輸送管に加えて、何カ所かのトンネル工事現場が、国境の街・瑞麗から北東の 芒市へ戻る道中の車窓からも気になった。上海と瑞麗を結ぶ高速国道320号線建設工事の一部だろう。現場には、

「譲標準成為習慣 習慣符合標準 結果達到標準(標準を習慣とし、習慣を標準に合わせ、標準を達成せよ)」

 との「標準」の達成を求めるスローガンが大きく掲げられていた。

 ここまで「標準」の2文字をしつこく重ねるということは、工事を「標準」に基づいて進捗させたいからに違いない。かりに「標準」を違える工事が頻発しているなら、完成後が思いやられる。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top