「正直、日本はもうだめなのではないか」。本書の著者、藻谷浩介氏は、あとがきをこのように書き始めている。おそらくまっとうな感覚を持つ人であれば、いま、〈誰もが〉そう思っているのではないか。もちろん、私もそのうちの1人である。
私事で恐縮だが、私は朝日新聞の論壇時評委員の仕事を、2011年の4月から3年以上続けている。毎月、山のように論壇誌や週刊誌が送られてくる。私はそれに目を通し、見るべき論文やコラムを取捨選択し、毎月1回開催される委員会で議論する。これが論壇時評委員の仕事である。
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