甲子園のマウンドは、小さな頃から憧れた場所だった。八月十一日、四万二千人の大観衆が見守る中、愛工大名電高校(愛知)の柴田章吾投手はその夢の舞台に立ち、五回から八回までの四イニングを投げ、創価高校(東京)を一安打六奪三振で無得点に抑え、打ってはタイムリー三塁打で一点を返すなど、存分に実力を発揮した。だが、初回の失点が響いて1対3で敗北。初戦突破はならなかった。「負けた時は悔しくて、悔しくて……。でも、帰りのバスに乗る頃、『終わった』と感じると、野球を続けてきて良かったという充実感が徐々にわいてきました」と語る。
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