金正日の肥満に見る「政治性」と「危険性」

執筆者:黒田勝弘 2007年11月号
エリア: アジア

繰り返し流れる健康不安説。今回の南北首脳会談でも見事な“太鼓腹”を披露したが、そこには奥深い理由がありそうだ。[ソウル発]七年ぶりに平壌で行なわれた第二回南北首脳会談(十月二―四日)における最大の印象は、金正日総書記の“太鼓腹”だった。その肥満ぶりは以前からのものだが、今回はそれがいやに目立った。平壌に到着した盧武鉉大統領を迎える歓迎式で、その張り出した太鼓腹がタテ、ヨコ、ナナメあらゆる角度からテレビに映し出されていた。 なぜ今回ことのほか目立ったかというと、顔や頭髪は年齢(満六十五歳)に比べ老けてみえ、さらに下半身もまた(ズボンの中だったが)その歩行ぶりから、それほどしっかりしているとは思えなかったのに、腹だけがパンパンに張り出していたからだ。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
黒田勝弘(くろだかつひろ) 産経新聞ソウル駐在客員論説委員。1941年生れ。共同通信ソウル支局長、産経新聞ソウル支局長兼論説委員を経て現職。2005年度には日本記者クラブ賞、菊池寛賞を受賞。在韓30年。日本を代表するコリア・ウォッチャーで、韓国マスコミにも登場し意見を述べている。『“日本離れ”できない韓国』(文春新書)、『ソウル発 これが韓国主義』(阪急コミュニケーションズ)など著書多数。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top