10月27日に米海軍のイージス艦が南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島近海で、中国が建設した人工島の「領海」内を航行した問題について、中国政府は現在までのところ、かなり抑制された反応を見せている。現在、北京で指導者が一堂に会して経済政策を議論する党中央委員会第5回全体会議(五中全会)が開催中ということもあり、報道のトップはすべて五中全会のニュースで、同日夜も南シナ海に関するニュースは、3番手、4番手という扱いだった。
こうした主権にかかわる外国との対立では必要以上に強気の反応を示すのが中国だが、今回は相手が米国ということもあり、「米国に慎重な行動を求める」という部分が強調されているニュアンスがはっきりと伝わってくる。

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