いつしか形成された包囲網におののいた毎日新聞は、苦肉のコストカットに走った。一方、勝ち組に出来るのもパイの奪い合い……。 三月中旬、新聞の輸送で大幅な遅延を引き起こした毎日新聞の経営は、不透明感と動揺を抱えたままだ。表面上は大きな混乱は収束したものの、いつまた再発してもおかしくない不安定な状態が続いている。 毎日新聞は内外で深刻な隘路に入り込んだのかもしれない。外では昨年十月に形成された朝日新聞、日本経済新聞、読売新聞の勝ち組連合(ANY)が、事実上の毎日包囲網となっている。その象徴が、読売と朝日が足並みを揃えて行なった紙面の段組変更だ。そして毎日の内側から起きた輸送の混乱は、この包囲網による焦燥感とも無縁ではなく、負の連鎖が始まったようにも見える。
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