ヨーロピアン・ラプソディ
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「難民」が「他人事ではない」歴史を持つ国々:「カタルーニャ」「ドイツ」の場合
テロのニュースで移民、難民への反感がつのり、極右が台頭という事実がある一方、私が現在滞在しているバルセロナでは今年2月、難民に共感して、スペイン政府に積極的な受け入れを求めるヨーロッパ最大規模のデモがあった。参加者は主催側発表によると約50万人、バルセロナ警察発表でも16万人。その1週間前にはカタルーニャ出身のアーティストたち50人が集まり、「僕らの家は彼らの家」というスローガンで、難民受け入れ支持を表明するコンサートがオリンピック競技場で開かれ、観客1万5000人を動員した。スペイン政府は欧州連合(EU)から、2年以内に1万5000人の難民を受け入れるように割り当てられているが、報道によると難民認定が下りたのは516人だけ。そんなスペイン政府の対応を不満として、カタルーニャ州だけでも積極的な難民受け入れをしようというのが、今回のアピールの趣旨だった。
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