【ブックハンティング】「パナマ文書」報道の内幕で知る日本マスメディアの「閉塞」
田舎町での事件取材でも首相官邸の取材でも、記者は「特ダネ」を追いかけ続けている。そこで、日本の報道機関が生み出した取材手法が「夜討ち朝駆け」だ。早朝や深夜に取材対象者の自宅に日参し、昼間は話しにくい本音や秘密を聞き出す独自取材である。
酔って帰宅する警察幹部を自宅の玄関先で待ち伏せたり、早朝、出勤前の政府高官の官舎に押し掛けたり、今日もまた、日本各地でそんな取材が繰り返されている。私も記者時代の国内勤務では、相当な回数の夜討ち朝駆けをやった。忙しくなると、毎晩の睡眠時間3~4時間。寝不足で頭痛は慢性化し、胃腸は荒れ、薬を手放せない時期もあった。

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