【前回までのあらすじ】
愛国義勇軍に乗っ取られた巡視船「うおつり」の中で、唯一自由の身である市川。彼は、手なづけた張と2人で、義勇軍退去用に使うと思われるボートを破壊することにした。「うおつり」は退去後、爆破されてしまうからだ。市川はその計画を実行に移し始めた。
31(承前)
市川と張(チャン)の2人は倉庫を出ると、左右両サイドを筋張った分厚い隔壁に覆われた通路を船尾方向に進んだ。この隔壁の向こうには甲板を突き抜けて細長い煙突がそれぞれ通っており、巡視船としては
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