「セックスロボット」は人間の孤独を癒せるのか

執筆者:大西睦子 2018年6月26日
タグ: 中国 アメリカ
エリア: 北米 アジア
自作ロボット「インイン」(右)と「結婚」した、中国のテイ・ジャジャさん(左)(『ガーディアン』HPより)
 
 

 中国国家統計局によると、中国では、2016年に男性の数が女性の数より3359万人も上回りました。この差は、カナダの人口に匹敵する数です。

不均衡な男女比をもたらした3つの条件

 中国がこのような状況に陥った原因としては、男児を好む文化、1979年から2015年まで続いた「1人っ子政策」、そして1980年代に導入された超音波技術による選択的中絶、が考えられています。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)グローバルヘルス研究所のテレーズ・ヘスケス教授らは、『カナダ医師会雑誌(CMAJ)』の報告(2011年)で、中国で「失われた女性」の圧倒的多数が、選択的中絶によるという明らかな証拠がある、と指摘しています。

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執筆者プロフィール
大西睦子(おおにしむつこ) 内科医師、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ在住、医学博士。1970年、愛知県生まれ。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月からボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月から2013年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度受賞。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。『「カロリーゼロ」はかえって太る!』(講談社+α新書)。『健康でいたければ「それ」は食べるな』(朝日新聞出版)などがある。
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