似非「ポピュリスト」ジョンソンが導いた「ブレグジット」さらなる迷走

EU残留を求めて英国会前でデモをする人々。「ブレグジット」は果たしてどこに行きつくのか…… (筆者提供、以下同)

 

 欧州連合(EU)からの離脱期限を10月末に控え、英国が迷走を続けている。

 7月末に発足したジョンソン政権は、権威主義的ポピュリズムさながらの手法で議会の動きを封じ込め、一気に離脱に突き進もうとした。しかし、離脱に慎重な議会側からの逆襲を受け、最高裁からもその行為を違法と判断され、試みは頓挫。政権への信頼は低下し、野党からは首相辞任を求める声も高まる。政権は発足2カ月で、早くも窮地に陥っている。

カテゴリ: 政治 社会
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
国末憲人(くにすえのりと) 東京大学先端科学技術研究センター特任教授、本誌特別編集委員 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長、朝日新聞ヨーロッパ総局長などを歴任した。2024年1月より現職。著書に『ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景』(岩波書店)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)、『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『イラク戦争の深淵』『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『テロリストの誕生 イスラム過激派テロの虚像と実像』(草思社)など多数。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top