夏休みの思い出が深い郷里、福島県相馬市の浜を「取材」で訪れるようになったのは、2011年3月11日の東日本大震災からだ。
大津波から2週間後、名産の春告げ魚コウナゴの漁を前にして岸壁に打ち上げられた漁船、がれきに埋まる旅館街、漁師町の廃墟を眺め、出会う人に知人の安否を尋ねた。当時編集委員を務めていた『河北新報』には、古里が被災地になった同僚が多く、「取材者であり当事者」との宿命を背負って報道を続ける記者の1人に、筆者もなった。
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