カナダ・ケベック州ヌナビク地域のヌブアギトゥク緑色岩帯で見つかった41億6000万年前の変斑れい岩。大きさの比較のためナイフが写っている (C)Jonathan O'Neil/Handout via REUTERS
[ロイター]研究チームは2種類の年代測定の方法から、ヌブアギトゥク緑色岩帯の岩石が約41億6000万年前に形成されたことを突き止めた。この時期は「冥王代」と呼ばれる地質時代に相当する。冥王代は、地球が誕生した約45億年前から約40億3000万年前までの期間を指す。当時の地球環境が、地獄を想起されるような荒々しい様子だったことから、ギリシャ神話の冥界の神ハデスにちなんで冥王代と呼ばれている。
研究からは、ヌブアギトゥク緑色岩帯に地球最古の地殻の断片が残っていることが示唆された。地殻で最もよく見つかるのは玄武岩と呼ばれる火山岩の一種で、ヌブアギトゥクの岩石も主に玄武岩質の変成岩(既存の岩石が、圧力や温度の影響を長期間受け変化した岩)だった。
今回年代測定が行われたのは「貫入岩」と呼ばれるもの。マグマが既存の地層に入り込み、地下で冷却・固化することで形成される。
研究チームは、岩石に含まれる元素のサマリウムとネオジムの放射性崩壊に基づいて年代を測定。2つの異なる方法で測定が行われたが、いずれからも貫入岩の年代は41億6000万年前と推定された。
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