【ブックハンティング】国連も指摘「日本の入管」外国人拷問の実態

平野雄吾『ルポ入管 絶望の外国人収容施設』(ちくま新書)

執筆者:安田菜津紀 2020年12月5日
カテゴリ: 社会 政治
エリア: アジア
日本人が知らない「入管」の実態を暴いた衝撃作!

 ページをめくる度に、言いようのない怒りがこみ上げる。

 精神状態に異常をきたすほど非人間的な密室に、期間の上限なく閉じ込められている人々がいることも、蒸し暑く電気の遮断された6人部屋に、17人が24時間以上「監禁」されたことも、床の上でのたうちまわるほど苦しんだ男性が、放置され死に至ったのも、全て公的施設で起きた話だ。

 死亡したそのカメルーン人男性の様子を、職員は監視カメラで観察しながら「異常なし」と報告書に書き込んでいた。この話のどこが「異常なし」なのか、と思うだろう。出入国在留管理庁(入管)の収容施設でのこうした人権蹂躙は、枚挙にいとまがない。

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執筆者プロフィール
安田菜津紀 1987年神奈川県生まれ。NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)所属フォトジャーナリスト。同団体の副代表。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『写真で伝える仕事  世界の子どもたちと向き合って』(日本写真企画)、『故郷の味は海をこえて 「難民」として日本に生きる』(ポプラ社)、『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』(新潮社)他。上智大学卒。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中。
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