ミャンマー「日の丸都市開発プロジェクト」で危ぶまれる国軍との「黒い関係」

IN-DEPTH[ニュースの深層]

執筆者:名古屋和希 2021年3月24日
タグ: 日本 マネー
エリア: アジア
渦中のプロジェクト「Yコンプレックス」のあるヤンゴンで、クーデターに抗議するデモ隊 (C)EPA=時事

国軍に支払われた金額は毎年200万ドルとも。そして、その先の資金の流れは把握できない。

 ミャンマーで日本企業が現地企業と合弁で進める大型都市開発プロジェクトを巡って、同プロジェクトへのミャンマー国軍の関与が注目されている。施設事業地の土地代が国軍に支払われたと見られるからだ。このプロジェクトに関連して、2018年末に国際協力銀行(JBIC)やメガバンクによる協調融資契約も結ばれている。2017年以降、ミャンマーでは国軍によるイスラム教徒少数民族、ロヒンギャの迫害が深刻化し、軍が関与する事業に対して国際社会の厳しい視線が注がれてきた。そのなかで、日本の官民投資が実質的に国軍に流れていたことになる。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
名古屋和希(なごやかずき) 1979年東京都生れ。慶應義塾大学経済学部卒業後、産経新聞社を経て日本経済新聞社に入社。経済部と企業報道部で中央省庁や金融、企業取材を担当し、東日本大震災時には震災特別取材班記者として被災地に半年間駐在。2017年からフリーに。2020年英国カーディフ大学優等修士号(政治コミュニケーション)取得。
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