中道路線へ修正を図るイギリス労働党に「若者離れ」というジレンマ

「建設的な野党」への転換は草の根運動「モメンタム」の支持を得られず

執筆者:名古屋和希 2021年3月20日
エリア: ヨーロッパ
新型コロナ対応の経済対策など、保守党との差別化が難しい局面も増えている (C)AFP=時事

選挙で大敗を喫した党をどう再建すべきか。新党首の就任からまもなく1年を迎える英国の最大野党・労働党が、路線運営を巡るジレンマに直面している。

「頼むから国旗は勘弁してくれ」。2月半ば、労働党党首、キア・スターマー(58)が新型コロナウイルス対応の経済対策を公表したオンライン会見。ツイッターで批判の矛先が向けられたのは、党首の傍らに掲げられた英国旗「ユニオン・ジャック」だ。愛国心を喚起するようなイメージ戦略には、党の左派グループを中心に根強い反発がある。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
名古屋和希(なごやかずき) 1979年東京都生れ。慶應義塾大学経済学部卒業後、産経新聞社を経て日本経済新聞社に入社。経済部と企業報道部で中央省庁や金融、企業取材を担当し、東日本大震災時には震災特別取材班記者として被災地に半年間駐在。2017年からフリーに。2020年英国カーディフ大学優等修士号(政治コミュニケーション)取得。
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