「菅のいる間」に滑り込み、中村格警察庁長官に岸田新政権で「早期降板説」

PERSONALS【人事情報】

2021年9月30日
官房長官秘書官として菅氏に仕えた中村氏(写真は長官就任の記者会見=9月22日) ⓒ時事
元TBS記者・山口敬之氏の捜査に不透明な理由で中止を命じたとされる中村氏は、官邸に引き上げられた一部の官僚が大きな権限を手に入れてきた安倍・菅政権9年間を象徴する人物だと言える。「忖度官僚」「ヒラメ官僚」とも揶揄されるこうした歪みに岸田新政権はどう臨むか。

 ジャーナリストの伊藤詩織氏(32)が、性的暴行を受けたとして元TBS記者の山口敬之氏(55)に損害賠償を求めた控訴審が9月21日、東京高裁(中山孝雄裁判長)で開かれ、結審した。判決は来年1月25日に言い渡される。何の因縁なのだろうか。その翌日の22日に、事件をもみ消したとされる警察庁の中村格次長(58)が長官に就任した。

 9年近く続いた安倍・菅政権が終わりを迎えた。「安倍一強」とそれを支えた官房長官だった菅義偉首相のもとで、中央省庁が集まった霞が関には、上ばかりに気を配る「忖度官僚」や上ばかりを見る「ヒラメ官僚」が増殖した。安倍、菅両氏に秘書官として仕えた官僚は、軒並み栄達を重ね、省庁のトップの事務次官に上り詰めた。そうした人事のしんがりとなった中村長官の誕生は、滑り込み人事の様相が強い。

カテゴリ: 政治
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