最新ウクライナ情勢:ロシア「3つの作戦戦域」失敗の検証

執筆者:藤村純佳 2022年3月27日
エリア: ヨーロッパ
ウクライナ軍が撃沈したロシアの大型揚陸艦(ウクライナ海軍のフェイスブックより)

 

ロシアによるウクライナ侵攻から1カ月、ロシア国防省は「第1段階の主な任務は達成した」と発表したものの、実際は作戦失敗に終わったとの見方が優勢だ。現段階での北部・東部・南部戦域の様相を分析する。

 ロシア軍によるウクライナ侵攻開始から1カ月が経過した。事前の予想を上回るウクライナ軍の頑強な抵抗と西側諸国の軍事的支援、そしてロシア軍自身が抱える様々な問題によって、「短期決戦」を狙ったロシア側の目論見は崩れ、戦線の膠着と戦争の長期化という展開に向かいつつある。

3つの軍事作戦戦域

 まず、現段階までの主な戦域とその様相について整理したい。

 ソ連・ロシア軍の教範では、広い地域で大規模な軍事作戦を実施する場合には、正面幅250~350キロほどの「軍事作戦戦域(TVD)」を設定し、複数の軍管区ないし作戦コマンドを束ねてTVDを統括する「正面軍」を編成して行動するものとされている。欧州で3番目に広い60万平方キロの面積を誇るウクライナの国土は広大であり、今回の侵攻作戦にあたってロシア軍は少なくとも3つのTVD正面軍またはそれに準じた区分を設定して行動していると思われる。推定される戦域と各正面軍の構成部隊は以下のようなものである。

カテゴリ: 軍事・防衛 政治
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執筆者プロフィール
藤村純佳 軍事ライター。『月刊PANZER』『軍事研究』等の軍事専門誌にソ連・ロシアに関連した記事を寄稿。
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