中朝貿易の「変化」が示唆する中露の政策転換

執筆者:三村光弘 2022年10月26日
タグ: 北朝鮮 中国
エリア: アジア
中国遼寧省丹東市の丹東駅貨物専用区域に停まる北朝鮮の貨物列車=2021年4月17日撮影(C)時事
新型コロナによる国境封鎖は、中国に多様な物資を頼ってきた北朝鮮経済に大きな打撃を与えた。その実態と中国の対北朝鮮政策の変化を、コロナ以降の中朝貿易の推移から読み解く。

 

 中国・遼寧省の丹東市と北朝鮮・平安北道の新義州市の間には、日本時代に建設された「中朝(朝中)友誼橋」があり、鉄道と道路で結ばれている。

 北朝鮮は2022年1月中旬、新型コロナウイルス(COVID-19)の防疫措置によって2年以上も封鎖していた国境を開き、中朝を結ぶ鉄道輸送を再開した。その後、4月下旬に中国側の丹東市でCOVID-19患者が発生すると鉄道輸送を停止し、8月初めの終息宣言を経て9月26日に再び鉄道輸送が復活した。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
三村光弘(みむらみつひろ) 公益財団法人環日本海経済研究所(ERINA)調査研究部主任研究員。1969年、大阪府生まれ。大阪外国語大学外国語学部朝鮮語学科卒業後、大阪大学法学部法学科、同大学大学院法学研究科博士前期・後期課程修了。博士(法学)取得。2001年にERINA入所。専門は北朝鮮経済、北朝鮮法、朝鮮半島の南北経済交流。主な著書に『現代朝鮮経済 挫折と再生への歩み ERINA北東アジア研究叢書』(日本評論社/2017年)、主な共著に『朝鮮半島の秩序再編』(慶應義塾大学出版/2013年)などがある。
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