韓国・尹錫悦政権「外交トップ更迭」で生き残ったイエスマンのナンバー2

執筆者:佐藤大介 2023年4月18日
タグ: 韓国
エリア: アジア
尹政権内で影響力を強めていると見られる金泰孝・国家安保室第1次長(C)EPA=時事
 
元徴用工問題の解決策を示し、日韓関係改善に向けて大きく舵を切った尹錫悦政権だが、政府中枢からも批判の声が上がっている。足並みの乱れを象徴するのが、元徴用工問題をめぐり尹大統領と意見の相違があったと言われる国家安保室長の突然の辞任だ。

「戦後最悪」と評されていた日韓関係が、改善に向けて大きく動き出している。最大の懸念となっていた元徴用工の訴訟問題について、韓国政府が解決策を発表したことが、状況を一気に変化させた。昨年5月に就任した尹錫悦大統領は、日本を重視する姿勢を鮮明にし、元徴用工問題についても「早期解決」を主張してきた。強力なリーダーシップで自らの路線を貫いた形になるが、尹氏の政治手法に対しては、韓国の外交部や大統領府といった政府中枢からも「あまりに拙速だ」という懸念の声が上がっている。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
佐藤大介(さとうだいすけ) 共同通信社 編集委員兼論説委員。1972年、北海道生まれ。明治学院大学法学部卒業後、毎日新聞社を経て2002年に共同通信社に入社。韓国・延世大学に1年間の社命留学後、09年3月から11年末までソウル特派員。帰国後、特別報道室や経済部(経済産業省担当)などを経て、16年9月から20年5月までニューデリー特派員。21年5月より現職。著書に『ルポ 死刑 法務省がひた隠す極刑のリアル』 (幻冬舎新書)、『ドキュメント 死刑に直面する人たち――肉声から見た実態』(岩波書店)、『13億人のトイレ 下から見た経済大国インド』(角川新書)、『オーディション社会 韓国』(新潮新書)などがある。
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