【Exclusive】文化戦争に明け暮れる共和党は「仕事」をしない? 大口献金者ピーター・ティールが資金援助を止める理由

[サンフランシスコ発(ロイター)]テック業界の大富豪で共和党の超大口献金者であるピーター・ティールは、ドナルド・トランプ前大統領の初期の支援者であり、後に袂を分かった人物として知られるが、2024年の大統領選挙ではどの候補者にも寄付するつもりはないと仲間内では語っているという。ティールと親しい2人の人物が明かした。
ビジネスを通じた関係であるその1人によると、ティールは、共和党が人工妊娠中絶や学校におけるトランスジェンダーの生徒のトイレ使用制限問題といった文化的な論争に明け暮れていることに不満を抱いているという。
ティールは昨年末にはこの結論に達していたようだ。共和党が左派との文化戦争を重視するのは誤りで、中国との競争に向けてイノベーションを促進することに関心を振り向けるべきだと考えているという。イノベーションの促進は、ティール自身にとっても主要な課題である。
ティールが共和党の予備選と本選にどのような心づもりで臨むかはこれまで報道されていないが、オンラインニュースサイトの「Puck」は以前、ティールはトランプを支持するか、さもなければ予備選を見送る公算が大きいと報じていた。
ティールはロイターの取材には応じなかった。
ビジネス仲間によれば、ティールは2016年の共和党全国大会で講演した当時は、党が経済問題に集中することに大きな希望を抱いていたという。「私はゲイであることを誇りに思っている」と、壇上のティールは語った。「ただし、何よりも誇れるのはアメリカ人であることだ。私はこの党の綱領のすべての政策に賛同しているわけではない。文化戦争は経済の衰退から目をそらす欺瞞だ。にもかかわらず、この指名レースにおいてその点に誠実に向き合っているのは、ドナルド・トランプを除いては誰もいない」。……

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