Weekly北朝鮮『労働新聞』 (11)

「田植え戦闘」は精神力で突破を(2023年4月30日~5月6日)

執筆者:礒﨑敦仁 2023年5月8日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
3月1日に行われた党中央委員会第8期第7回全員会議。中央に金正恩総書記(『わが民族同士』HPより)
慢性的な食糧難にあえぐ北朝鮮が迎える、「田植え戦闘」の季節。毎日連呼されるのは熱気と精神力だ。『労働新聞』注目記事を毎週解読
 

 本格的な「田植え戦闘」に入るのを前に、農事において「党中央委員会の決定」を貫徹することが訴えられている。2月26日から3月1日、「農業生産を安定的で持続的な成長軌道に乗せる」ことを目的に朝鮮労働党中央委員会第8期第7回全員会議(総会)拡大会議が開催されていたが、そこでの決定を各部門、各人に徹底させようとしているのである。金正恩(キム・ジョンウン)政権は「人民経済発展の重要高地」として12の重点課題を掲げているが、その筆頭に来るのが「穀物」であり、その後に電力、石炭、圧延鋼材、非鉄金属、窒素肥料、セメントなどが続く。

 5月6日付に掲載された社説は、「道党委員会は党中央委員会第8期第7回全員会議の決定貫徹のための闘争を強力に牽引しよう」と題された。……

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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