Weekly北朝鮮『労働新聞』 (35)

ラブロフ露外相訪朝で見えた「外交実務の司令塔」(2023年10月15日~10月21日)

執筆者:礒﨑敦仁 2023年10月23日
エリア: アジア ヨーロッパ
10月19日、訪朝したラブロフ露外相(右)と握手を交わす金正恩国務委員長(『わが民族同士』HPより)
訪朝した「同志」ラブロフ露外相と金正恩国務委員長の会談は、強硬な言葉こそなかったものの、露朝の協力関係強化を内外に示した。そうした外交の司令塔は、崔龍海最高人民会議常任委員長ではなく崔善姫外相であることも見て取れる。『労働新聞』注目記事を毎週解読
 

 10月17日付第1面下段には、崔龍海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党政治局常務委員・国務委員会第1副委員長・最高人民会議常任委員長が南浦(ナンポ)市内の各単位を「現地了解」したとの記事が掲載された。崔龍海による現地了解報道は、金徳訓(キム・ドックン)内閣総理より少なく、今年で5回目である。

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、同日付最下段において予告された通り、18日から19日にかけて訪朝した。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との会談について報じた20日付は、ラブロフのほか、同席したロシアの外務次官や駐朝大使に対しても「同志」呼称を付した。……

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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