Weekly北朝鮮『労働新聞』 (53)

「プーチンからの贈り物」はどう報道されたか(2024年2月18日~2月24日)

執筆者:礒﨑敦仁 2024年2月26日
エリア: アジア
2月20日付の1面トップは、金徳訓内閣総理が平安南道と南浦市を現地了解したとの報道だった(『労働新聞』HPより)
朝露関係に関する記事が増えている。2月18日にはプーチン大統領から金正恩国務委員長宛にロシア製の専用車が贈られた。この「贈り物」については20日に報じられたが、1面下段という扱いで、同日の1面トップは「地方発展20×10政策」に関する報道だった。『労働新聞』注目記事を毎週解読
 

 2月19日付1面トップに社説「全社会の思想的一色化はわれわれの革命、われわれの国家の偉大さであり絶対威力である」が掲載された。金正日(キム・ジョンイル)朝鮮労働党中央委員会書記(当時)が「全社会の金日成(キム・イルソン)主義化」を宣布してから50周年を記念したものである。金正恩(キム・ジョンウン)の革命思想は、金日成と金正日の革命思想の「輝かしい継承発展」であり、「強国建設と社会主義勝利のための明確な進路を鮮明にしてくれる百勝の戦略・戦術的指針」であると説明され、現在掲げられている「全社会の金日成・金正日主義化」との連続性が強調された。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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