Weekly北朝鮮『労働新聞』 (78)

「祖国解放79周年」で演奏されたロシア国歌(2024年8月11日~8月18日)

執筆者:礒﨑敦仁 2024年8月19日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
最近は中国よりロシアに関する報道が目立つ[祖国解放79周年の式典で花輪を捧げる金正恩国務委員長](C)KCNA VIA KNS/AFP=時事
北朝鮮の祖国解放記念日である8月15日、金正恩国務委員長は平壌市内の「解放塔」を訪れた。北朝鮮の国歌に先立ってロシア国歌を演奏させ、「ソ連軍烈士の功績をわれわれは忘れない」との言葉とともに花輪を添えるなど、ロシア重視の姿勢を鮮明にした。一方、今年が「朝中親善の年(中朝友好年)」である事実には4カ月近く言及されていない。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】
 

 中国との国境付近で発生した水害への対応に関する記事が相次いだ。8月16日付では、平壌(ピョンヤン)に到着した平安(ピョンアン)北道、慈江(チャガン)道、両江(リャンガン)道の被災民を前に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「歓迎の辞」を述べたことが3ページにわたって伝えられた。9日に金正恩が発表した「重大措置」によって平壌に招かれた約1万3000人には、大規模会議開催時に参加者が宿泊する4・25旅館と、閲兵式に参加する軍人が使用する「閲兵訓練基地」が生活の場として準備された。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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