スマートグリッドの可能性と危険性

執筆者:五十嵐卓 2009年9月号
エリア: 北米

米オバマ政権が打ち出した「賢い電力網」構想。世界の電力供給の形を変えることは本当に可能なのか。 電力は発電所から家庭やオフィス、工場に届くまでに送電線、変電所、変圧器などを経由する。その仕組みは乾電池と電球をつなぐようなイメージをもたれがちだが、当然ながらそれほど単純ではない。送配電網には多数の発電所と莫大な数の顧客がつながっている。顧客はエアコンや電灯、エレベーターを予告なく起動し、必要なくなれば予告なく消す。電力会社はそうした需要のめまぐるしい変動に対応しながら、電力を安定供給する義務を負っており、それは一般に考えられるよりはるかに複雑で高度なサービスといえる。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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