キリンホールディングス(HD)とサントリーHDが統合交渉を始めたことで、サッポロHDの身の振り方に注目が集まっている。交渉が成就すれば、両社でビール類のシェア五〇%近くを占めることになるため、業界四位のサッポロはますます地盤沈下しかねないのだ。 ビールはシェアがモノを言う内需型の装置産業。シェア拡大で利益が増えれば広告宣伝費や販売網を強化でき、ますます売れるようになる。が、売れ行きが落ちると工場の維持費用や人件費の割合が膨らみ、歯車は逆に回り始める。 そもそもビールの国内市場は、少子高齢化の進行に加え、乾杯の席でもビールにこだわらない若者が増えたことなどから縮小している。シェア争いは過熱する一方だ。
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