Weekly北朝鮮『労働新聞』
Weekly北朝鮮『労働新聞』 (140)

高市政権に初めて言及、日本の「右傾化」に関心(2025年10月26日~11月1日)

執筆者:礒﨑敦仁 2025年11月4日
エリア: アジア
北朝鮮の崔善姫外相は10月下旬にロシアとベラルーシを歴訪した[プーチン露大統領と握手を交わす崔外相=2025年10月27日、ロシア・モスクワ](C)EPA=時事
『労働新聞』が日本の高市総理に初めて触れ、「保守強硬派」と論評した。連立を組んだ日本維新の会についても「極右政党」と解説するなど、日本の「右傾化」に関心を持ち続けているようだ。APECで訪韓したトランプ米大統領と金正恩国務委員長が会談する可能性が各国メディアで報じられたが、米側の大幅譲歩がなければ北朝鮮が再交渉に応じる必要性は低い。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

 10月30日付第6面には「日本政界の動きは何を示唆しているのか」と題する論評記事が掲載された。李学男(リ・ハクナム)記者による署名記事で、高市早苗氏の総理総裁就任を初めて北朝鮮メディアが報じたのである。石破茂総理の辞任表明に伴って自民党総裁選挙、首相指名選挙が実施されたことに初めて言及し、「権力をめぐる政争によって政局が騒がしくなり、そのため短命内閣の出現が頻繁な日本では、毎度のことなので特に目新しいものではない」としつつ、公明党の連立政権離脱などにも触れて高市政権誕生の背景を解説した。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治外交。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、『北朝鮮を読み解く』(時事通信社)、共著・編著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)、『北朝鮮を解剖する』(慶應義塾大学出版会)など。
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