Weekly北朝鮮『労働新聞』
Weekly北朝鮮『労働新聞』 (144)

江原道で6つの水力発電所が竣工:民生分野の成果と「自力更生」をアピール(2025年11月23日~11月29日)

執筆者:礒﨑敦仁 2025年12月1日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
「江原道精神」という言葉は、2016年12月に金正恩が元山軍民発電所を現地指導して以来、たびたび使用されてきた[完成したばかりの淮陽発電所を視察する金正恩国務委員長=2025年11月20日、北朝鮮・江原道](C)AFP=時事
日本海に面する北朝鮮南部の江原道(道都:元山市)で、金正恩国務委員長が淮陽軍民発電所の竣工式に出席した。年明けに朝鮮労働党第9回党大会を控え、民生分野での成果が誇示されている。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

「江原(カンウォン)道精神」を主題にした論説記事が連日掲載された。11月20日に江原道の淮陽(フェヤン)軍民発電所が竣工したことを称えるものである。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は竣工式での演説において、江原道の人々が安辺(アンビョン)青年第2号発電所や元山(ウォンサン)青年発電所、元山軍民発電所に続き、淮陽を含む6つの水力発電所建設に決起したことを高く評価し、「他の道に比べて人口も相対的に少なく、工業土台も弱い江原道が自力で完成させたのは実に大したものです」などと述べていた。6つの新発電所のうち最後に完成したのが淮陽である。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治外交。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、『北朝鮮を読み解く』(時事通信社)、共著・編著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)、『北朝鮮を解剖する』(慶應義塾大学出版会)など。
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