「今週のトランプ」ラウンドアップ
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トランプ大統領の発言とアクション(12月18日~1月7日):ベネズエラ「マドゥロ後」も中国マネーを無視できぬ現実
2026年の市場のテーマは「ドンロー主義」の行方と「FAFO(Fuck Around and Find Out)」になりそうだ[マドゥロ拘束について上院議員に説明した後、記者団の取材に応じたルビオ国務長官(中央)とピート・ヘグセス国防長官(左)=2026年1月7日、アメリカ・ワシントンDCの連邦議会議事堂](C)EPA=時事
支持率低迷、中間選挙前に断行した「マドゥロ拘束」
映画『Wag the Dog』は、大統領選直前のスキャンダル隠しのため、広報戦略家が架空の戦争を演出するなど“国家的虚構”を描いた1997年12月公開の映画だ。翌98年1月にビル・クリントン大統領(当時)に性的スキャンダルが浮上し、その後、対外軍事行動が相次いだことから、映画の内容と現実が重なったとして話題を呼んだ。
指導者が国内の不満から国民の注意をそらすために対外紛争を使うことは「陽動理論」と呼ばれる。アラバマ大学のカール・デローエン・ジュニア教授は、失業率の悪化や支持率低下といった政治的脆弱性が米大統領の武力行使を増加させることを統計的に示した。
11月に中間選挙を控えるドナルド・トランプ大統領の支持率は過去最低水準にあり、ブロックチェーン型予測市場プラットフォームのポリマーケットでは下院の多数派を民主党に奪回される予想確率が80%近くに及んでいる。そもそも与党は中間選挙で議席を失いやすい。加えて、共和党が中間選挙で下院の過半数を失えば、トランプ氏は自身が弾劾訴追される可能性も出てくる。
トランプ政権は1期目の2020年3月にニコラス・マドゥロ大統領を麻薬取引などの容疑で起訴しており、ベネズエラ攻撃で起死回生を図ったと決めつけることもできないが、米国の軍事行動が中間選挙の年に比較的多いともされ、一部ではアノマリーのように扱われてきた【チャート1】。
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