米ロッキード・マーティン社が非化石燃料の「海洋温度差発電(OTEC)」の開発に取り組んでいる。地球温暖化対策に意欲的な鳩山、オバマ両政権誕生を好機ととらえ、早期実用化を目指す。世界最大の兵器メーカーの新エネルギービジネス本格参入により「市場をめぐる熾烈な争奪戦」(経済産業省幹部)が展開されそうだ。 OTECは海洋表面と深海の海水温度差による熱移動をエネルギーに転換して発電させる仕組み。天候に左右される太陽光発電、風力発電と違い、二十四時間稼働可能で海水の淡水化も同時にできる点が強みだ。 ロッキード社はハワイに実験用プラントを持っているが、新たに三件の施設建設契約を国防総省、エネルギー省、ハワイ州との間で結んだ。同社幹部は「コスト高やエネルギー効率の悪さについても克服のめどはついており、実用化は時間の問題」としている。

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