落選してもチャンスあり ヒラリー夫人の“政治生命”

執筆者: 2000年10月号
エリア: 北米

 米国史上初めて現職ファースト・レディーとして上院議員に立候補したヒラリー夫人について、もし落選してもアル・ゴア副大統領が大統領となれば、夫人の政治生命は終わらないという興味深い観測がある。 クリントン大統領元側近によると、ヒラリー夫人が最も尊敬するエレノア・ルーズベルト夫人は、ファースト・レディーから退いた後、国連大使に任命された。ヒラリー夫人の政治的センスを認めるゴア副大統領が、ヒラリー夫人を国連大使に指名することは確実だというのだ。 反対にゴア副大統領は敗れ、ヒラリー夫人が上院議員となった場合はどうか。四年後までに米国の好景気が減速してクリントン待望論が持ち上がると、二〇〇四年大統領選の民主党候補にはヒラリー夫人が浮上するという見方がある。民主党を見渡しても、クリントン、ゴアに続くスター政治家はまだいない。ゲッパート下院議員の名前もあがるが、四年後には六十三歳で、年をとりすぎている。黒人のジェシー・ジャクソン・ジュニア氏の選出はまだ時期尚早といわれる。となると、冗談のようだが、米大統領はブッシュ、クリントン、ブッシュ、クリントンという“襷掛け”になる可能性もある。

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