小泉純一郎元厚相と並んでポスト森の候補とされた河野洋平外相は、外務省元幹部による機密費流用事件で首相レースから後退した。公明党の神崎武法代表は河野氏について「一番目だったが難しくなった。非運の人だよ」と漏らしている。 機密費流用事件の波紋は大きい。もし外務省の組織的な関与が判明すれば、河野氏は辞任せざるを得ない。そして、もし言われるように外務省機密費が官房機密費に上納されていたとなれば、財政法違反で司直の手が首相官邸に及ぶ前代未聞の事態となる可能性もある。とはいえ、機密費の性格上すべてが明らかになることはあり得ず、結局あるのは政治決着のみだろう。

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