力量を問われる「山拓」 小泉政権のアキレス腱にも

執筆者:Foresight 2001年7月号
タグ: 中国 韓国
エリア: アジア

 中曾根康弘元首相とゴルフをしたウシオ電機の牛尾治朗会長が、七月初めに自民党の山崎拓幹事長に「中曾根さんは参院選が終わったら山崎の出番だと言っていた」と伝えた。これに対し、山崎氏は「構造改革のための党内調整をうまく運べということだが、少数派閥のリーダーでそういうことが苦手。気が滅入る」と愚痴をこぼしたという。 山崎氏は小泉純一郎首相の名代として、七月八日から公明、保守両党幹事長と韓国、中国を相次いで訪問した。だが、靖国参拝問題や教科書問題などの影響で、中韓両国から手厳しい出迎えを受けた。韓国では金大中大統領やその側近から会談を断られ、中国では靖国参拝問題を追及され、山崎氏はA級戦犯の「分祀」問題に言及した。国内でも賛否両論がある「分祀」問題を外交で持ち出す山崎氏の軽率ぶりに、党内からは「最悪の時期に訪問した」と批判が相次いでいる。

カテゴリ: 政治
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