アラブの被害感情を刺激する「アフガン空爆」

執筆者:内田優香 2001年10月号
エリア: 中東

 米国で同時多発テロが発生して以来、クウェイトで多くの人にこの大惨事の感想を聞いた。研究者、政府関係者、学生、経営者、主婦そして記者――事件発生から数週間経た今日に到り、少なからぬ人が口にするのが、「こんな大掛かりで巧妙なテロをアラブ人が計画出来るわけがない。これは、アラブ人ないしムスリムが関ったように見せかけた犯行だ」という「陰謀説」である。 世界貿易センター、ペンタゴンやペンシルバニアで命を落とした方々とその遺族が最も悲惨な直接的被害者であることは言うまでもないが、国際社会を恐怖に陥れたという意味で、世界中の人が今回のテロの被害者であると思う。

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