WTO加盟までの道のりは、政治路線をめぐる保守・改革両派の暗闘の経緯でもある。十五年来の課題を実現したのは誰か。改革・開放の新局面にも大きな影響力を持つ彼らの素顔を探る。 米国東部の名門、マサチューセッツ工科大学。一九九九年四月の訪米途中、ここで講演した中国の首相・朱鎔基は、壇上に同席していた女性国務委員、呉儀(六三)をふり返りつつ聴衆にさりげなく語った。「彼女こそがわが国のWTO(世界貿易機関)加盟に関する米国との交渉で、カギとなる人物です。なべてWTO加盟の交渉では、彼女こそ総理でして、私は副総理でしかありません」
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