話題の書『寸前暗黒』で日本政治の実相をつぶさに描いた筆者が、小泉政治の七カ月半を振り返り、型破りの宰相が推し進める改革が本当に意味での成功を収めるよう、いまあらためて檄をとばす。 二十一世紀の最初の年である二〇〇一年は、テロ事件とイチローと、そして小泉純一郎で終わってしまった。とはいっても、高い支持率を誇る小泉内閣は、まださしたる実績を残していない。したがって、八〇%もの高い支持率は明らかに過大評価である。 ジャーナリズムのあり方として多分に誤解されている「批判的視線」だけで見詰めれば、この内閣は穴だらけだ。この国の将来を託すにはあまりにも脆弱である。したがって揚げ足を取る気ならば、材料にはこと欠かない。
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