柳澤伯夫・前金融相と金融安定化策をめぐって意見対立し、論争に勝利したかたちで、金融相を兼務することになった竹中平蔵・経済財政相。就任早々にプロジェクトチームを立ち上げ、メンバーには木村剛・KPMGフィナンシャル代表や吉田和男・京大大学院教授など“ハードランディング派”を抜擢し、大手銀行の“外科手術”に乗り出す構えを見せている。 四年前、日本長期信用銀行が破綻し、金融危機が到来した際、柳澤氏は敢然と“外科手術”を施し、不良債権の徹底処理と公的資金注入を断行して一躍脚光を浴びた。しかし、そうした過去が結果的に柳澤氏の仇になった。「もはや公的資金は要らない」と言い続け、市場から「守旧派」のレッテルを貼られ退場を余儀なくされた。竹中氏は、当時の柳澤氏以上の「改革派」として“大手術”に踏み切るとみられている。
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