今秋、坂口大臣が発表した「私案」に基づき、厚生労働省が医療保険制度の見直しをすすめている。その内実はと言えば、医療費増大のツケをまたしてもサラリーマンへ一方的に押しつけるとんでもないシロモノで……。 坂口力厚生労働相は今年九月二十五日、突如「医療保険制度改革私案」なるものを発表した。医療保険制度については、改正健保法が七月に成立、十月から七十歳以上の窓口負担が完全定率制に移行するほか、サラリーマン本人の負担を来年四月に二割から三割へ引き上げる「二〇〇二年度改正」が実現したばかりのタイミング。にもかかわらず、厚労相が新たな改革案を示さなければならないのは、〇二年度改正が小手先のものに過ぎず、財政破綻の危機が少しも遠のいていないからだ。

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