タイのタクシン首相(一九四九年生れ)が政権の座に就いたのが二〇〇一年二月。以来、彼が率いるタイ愛国党は中小政党を実質的に“買収”し、下院(定数五百)の単独過半数を超える二百九十四議席を持つ大型政党に変身する一方、タイ国民党、国家発展党の両党と連立を組み、三百六十五議席を擁する連立政権を維持してきた。これに対し、野党と呼べるのは百二十九議席の民主党のみ。与党が大分裂でもしない限り、議会運営は磐石だ。 さらに昨年十月の省庁再編を機に内閣を改造し、意にそわない大臣を切り捨て有力支持者を閣内に取り込むなど、一糸乱れぬ政権運営を目指す。そのため、「二期八年」の当初目標はもちろんのこと、最近では専門家の中から「三期十二年」の“超長期政権”の声すら聞かれるようになってきた。
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