景気低迷、後継者不在、北京の権力構図の変化……。香港経済を牛耳ってきた「李超人」は、時代の波に呑まれるのか。 長期低迷経済に喘いでいた香港は、いまやSARS(重症急性呼吸器症候群)によって「死の街」になりかねない情況だ。 香港の活力を象徴する海外からの観光客は激減し、繁華街には閑古鳥が鳴き、ホテル、小売店、観光業者の多くは、いつ倒産してもおかしくないほど。繁栄の指標だった不動産業界も一向に振るわない。友人の医師は「北京でも広東でも、中国側当局の香港軽視がSARS被害拡大を招いた。英国領だったら、こんな事態にならなかったはず。一国両制こそ諸悪の根源だ」と憤る。おそらくこれが、香港住民大多数の偽らざる心境だろう。
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