苫小牧の北海道製油所でタンク火災を起こした出光興産の先行きに経済産業省や業界が懸念を深めている。北海道で灯油など石油製品の最大需要期である今年の冬場の製油所稼働が絶望的となり、経営への打撃が深刻だからだ。苫小牧市の住民は製油所の安全確保に対する出光の姿勢に反発を強めており、早期再開どころか、このまま製油所が閉鎖に追い込まれる不安すら出ている。 経産省としては民族系石油会社との合併を図りたいところだが、出光の経営規模や負債の大きさを考えて、新日本石油、ジャパンエナジーなど各社は二の足を踏んでいる。産業再生機構に持ち込む道もあるが、やはり経営を引き継ぐ企業が現れる可能性は低い。

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