ノーベル平和賞「カルマン女史」も酷評したイエメン大統領4度目の辞任表明

執筆者:畑中美樹 2011年10月13日
エリア: 中東

 イエメンのサレハ大統領は10月8日、国営テレビを通じて演説を行ない、「私は権力を欲していないし、来る数日以内に権力を放棄する」と述べ、辞任を表明した。

 しかし、国内の反政府勢力は、同大統領による辞任発言が今回で4度目となるだけに、いつもの時間稼ぎに過ぎないと受け止めている。

 野党の共通フォーラムの指導者ムハンマド・サブリは、「サレハ大統領の演説は偽情報を流したに過ぎない。サレハ大統領が真剣ならば、何故、イエメン国民が求めているように、今晩権力の座から降りないのか」とコメントし、一刻も早い辞任を迫った。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
畑中美樹(はたなかみき) 1950年東京都生れ。慶應義塾大学経済学部卒業。富士銀行、中東経済研究所、国際経済研究所、国際開発センター エネルギー・環境室長などを経て現職。中東・北アフリカ地域で豊富な人的ネットワークを有する。著書に『石油地政学――中東とアメリカ』(中公新書ラクレ)、『オイルマネー』(講談社現代新書)、『中東湾岸ビジネス最新事情』(同友館)などがある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top