チュニジア制憲議会の招集と、「議院内閣制」の試み

執筆者:池内恵 2011年11月23日

 先週末からエジプトが大荒れとなり、その陰に隠れて報道が少ないが、チュニジアでは着々と民主化への移行が進んでいる。

 11月22日には、10月23日の選挙の結果に基づき、制憲議会が招集された。

http://www.aljazeera.com/news/africa/2011/11/2011112217751533504.html

 先週末から21日月曜日にかけて結ばれた合意に基づき、第1党ナフダ(復興)党(al-Nahda; Ennahda、イスラーム主義、89議席)、第2党「共和国会議党」(Congrès pour la République; CPR、29議席)、第4党「労働と自由のための民主フォーラム」(通名タカットル; al-Takattul; Ettakatl、20議席。当初の集計では3位につけていたが、一部議席の無効が宣言されて紛糾していた「自由・公正・発展のための民衆請願(al-'Arida al-Sha'biya li al-Hurriya wa al-'Adala wa al-Tanmiya)」の26議席に抜かれ、4位になる模様。11月14日発表の最終集計に基づく)の連立政権が成立しようとしている。

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執筆者プロフィール
池内恵(いけうちさとし) 東京大学先端科学技術研究センター グローバルセキュリティ・宗教分野教授。1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より東京大学先端科学技術研究センター准教授、2018年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』(同)などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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